公開前からデザインや声優に批判がありながらも、人気作品の映画化ということで期待もされていた映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』。
いざ公開されてみるとデザインや声優よりも大きな爆弾を抱えており、公開前よりも大きな批判にさらされ、ちょっとした炎上状態になってしまった。
何故映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は叩かれたのか。
本編の内容を振り返って考察してみる。
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』公式サイト |
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公開前の批判や原作について
公開前の批判や原作については以前の記事を参考にされたし。
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映画ドラゴンクエストユア・ストーリーは賛否両論、否が多め?
問題点
問題点は他の人も言っているように物語の終盤にある。
本作の舞台であるドラゴンクエストⅤのラスボスは、言わずとしれたミルドラースである。
ゲーム本編の中ではなかなか名前が出ず、セリフもラスボス戦まで無く、主人公との因縁というよりはパパスとの因縁なのではという感じのミルドラースである。
しかし映画の中では終盤で以下の超展開を迎える。
- 急にゲーム本編とは関係の無いキャラ(ウイルス)が出てきて、
- 急に映画の世界が仮想現実(VR)であることを明かし、
- 「これはただのゲームだ。現実と向きあえ。」と説教をしてくる
この超展開が視聴者の逆鱗に触れ、映画の感想は炎上してしまった。
参考:
映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」レビュー ゲームを、フィクションを、人生をここまで愚弄する作品を私は他に知らない - ねとらぼ
ここで一体何がまずかったのか考えてみたい。
視聴者を批判した?
まず劇中で視聴者を批判したわけではない。
劇中で「これはただのゲームだ。現実と向きあえ。」と超説教をかましてくるものの、最終的には主人公がゲームの世界を肯定しウイルスを倒すので、視聴者として想定されるゲーマーは肯定されている。
従って劇中の的はずれな説教が炎上の原因ではない。
内容を変えたから?
ドラゴンクエストⅤの内容に手を加えられたから怒っているのだろうか。
しかしこれも否である。
確かに急にゲーム本編とは関係の無いキャラ(ウイルス)が出てきているが、あくまでゲームの外側のメタな存在であり、ゲームの内容に手を加えられたわけではない。
従って内容を変えられたので怒っているわけでもない。
期待と異なるサプライズをされたから?
『期待と異なるサプライズをされたから』
これが原因ではないかと思う。
観客は映画を視聴する前は『ドラゴンクエストⅤの映画』を期待していたことだろう。
予告でも「出会いと別れ、そして最強の敵」というナレーションや、動画の内容からも『ドラゴンクエストⅤの映画』の映画であると思ってしまう。
しかし実際に蓋を開けてみると『ドラゴンクエストⅤの映画』ではなく『ドラゴンクエストⅤのファンが主人公の映画』だった。
要するに事前情報とは異なる内容を見せられたわけである。
極端に言えば予告編ではアクション映画だったのに内容はラブロマンスだったとかに近いかもしれない。
食べ物で言えばプリンだと言いながら茶碗蒸しを出すようなもの。
ゲームで言うならパッケージに大きく映っていたキャラがヒロインじゃなかったとか。
これでは仮に中身が良かろうと『観客の見たかったもの』とは異なるので炎上するだろう。
どうすれば良かったのか
ではどうすれば良かったのか。
方法は2つある。
1つは観客の期待する『ドラゴンクエストⅤの映画』を見せること。
下手にVRやウイルスなど出さずに『ドラゴンクエストⅤの映画』として徹底していればこのような炎上はしなかっただろう。
もう1つは『ドラゴンクエストⅤのファンが主人公の映画』として宣伝すること。
最初から予告編などでドラクエⅤをVRで楽しむファンの話だと事前知識を与えていればラストにウイルスが出てきたとしても批判されることは無かっただろう。
どちらにしろ『顧客の期待とコンテンツのすり合わせ』ができていれば回避できた問題なのだ。
まとめ
- 『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の問題点は『顧客の期待とコンテンツのすり合わせ不足』